今回は、
「1匹でも多くアジを釣るための極意〜カウント・レンジキープ編〜」
と題しまして、アジングでアジを釣る方法(コツ)を解説します。
なお、今回解説する釣り方「カウント・レンジキープ」は、アジングのみならずメバリングやエギング等における他のルアーフィッシングにおいても肝要となる技法ですので、是非参考にしてみてください。
それでは解説していきます。
本記事は以下のような悩みを解決します。
- アジの釣り方がイマイチ良く分からない
- 一緒にアジングに行っている仲間に、いつも2倍以上の釣果差をつけられて悔しい思いをしている
※アジングを始められて日の浅い方や、これからアジングを始めたいと思われている初心者の方については、「アジの釣り方」よりもまず「アジを知ること」から始める必要がありますので、下記の記事からご覧ください。
アジングにおけるカウント・レンジキープの重要性
今回主題としている「カウント・レンジキープ」は、アジングにおいて非常に重要な技術であり知識です。
アジングが上手な方と一緒に釣りに行ったことのある方は、「上から〇〇カウントの層にアジがいるよ」とか「レンジを合わせてあげると釣れるよ」と教えてくれたというような経験があるかと思います。
それほど、レンジ(層)という要素は非常に重要な要素であると言えるでしょう。
本章では、「何故、アジングにおいてカウント・レンジキープが重要なのか」ということと「カウント・レンジキープという技術を磨き上げた先にはどのような利点があるのか」ということの2点について解説していきます。
何故、アジングにおいてカウント・レンジキープが重要なのか
そもそも何故、アジングにおいてカウント・レンジキープが重要なのでしょうか?
答えは、冒頭リンク記事の中にもヒントを書いていますが、
「エサがあるレンジ(層)にアジがいて、そのレンジにルアーを通す必要があるから」です。
アジングが上手な方と一緒に釣行した際に、「あ、このレンジ釣れそう」と言い放った直後にアジを釣るといった光景を見たことはありませんか?
これは、いわゆる「潮のヨレ」や「潮が効いているレンジ」にルアーを通していることを認識しているからに他なりません。
では、どうすれば「潮のヨレ」や「潮が効いているレンジ」を認識することが出来るのか。
アジングが上手い人は手の感度が異常に発達していて、対してアジングがあまり上手くない人の手の感度は鈍いからなのでしょうか。
そんなことは絶対に無いのでご安心ください。
ではどうすればいいのか。
「とにかくロッドを軽い力で握る」ということを実践してみてください。
初心者の方は集中しようとすればするほど、肩に力が入りすぎたりロッドを握る手に力が入りすぎたりしてしまうので、最初は意識し続けないと出来ませんが、騙されたと思って実践してみてください。
上記のことを1シーズン(3ヶ月程度)意識し続ければ、シーズン終盤には必ず「潮のヨレ」や「潮が効いているレンジ」が分かるようになります。
カウント・レンジキープという技術を磨き上げた先にはどのような利点があるのか
では、「カウント・レンジキープ」ができるようになると、どのような利点があるのでしょうか。
「アジが釣れるようになる」
それはもちろんその通り。
今まで「カウント・レンジキープ」ができなかった方が、この技術を習得すると言うまでもなく釣果は上向きます。
しかし、ここでお話ししたいのは、そのような当たり前の話ではありません。
では、「カウント・レンジキープ」を習得し、さらにその技術を磨き上げるとどのような利点があるのか。
それは、
「ジグヘッドの細かい重量差に惑わされなくなる」です。
使用ジグヘッド重量、使用ライン(PE・エステル等)、風速、潮流速度といった複合的要素によって、ルアーの沈下速度は変わります。
つまり言い換えると、1gのジグヘッドの沈下速度は、毎回同じとは限らないということです。
アジングを始めて間もない初心者の方からすると、「なんだそれ、難し過ぎるだろ!」と思われることと思います。
確かに難しいことです(難しいことが出来るか出来ないかで単純に釣果に差が出ます)。
私も、毎回正確にレンジの把握ができているかと聞かれると、自信を持って「出来ている」とは言えません。
しかし、何度も現場に足を運び自分なりに考え、そして水中をイメージする癖をつけることで、レンジを把握する精度は格段に上がったということは自信を持って言えます。
では、精密なカウント・レンジキープができるようになることによって、「ジグヘッドの細かい重量差に惑わされなくなる」とどのようなメリットがあるのか。
そのメリットとは、以下の2点です。
メリット1:手返し(レンジを探るチャンス)を維持できる
毎回微妙に風速や潮流速度が変わる度に、こまめにジグヘッドを交換していたらどうなるでしょうか?
言わずもがな、そんなことをしていたらまともに釣りをしている時間が少なくなりますよね。
確かに、釣りをしていると急に突風が吹き出したり、潮流速度が一気に速くなったりすることもあり、そういった時にジグヘッドを重いものに交換したり、逆に軽いものに交換することはあります。
また、あまりにも魚からの反応が得られない時にも、ジグヘッドを交換します。
しかし、魚が釣れないからといって気持ちに焦りが出てしまい頻繁にジグヘッドを交換していると、細かくレンジを探るチャンス(回数)が失われますし、何よりも混乱状態に陥ります。
ここで言う混乱状態とは、例えばジグヘッドを1.5gから1.2gに変更したときに、その0.3gの差を釣果に繋げることが出来るのか、ということです。
非常に高いレベルでアジングをされている方であればそういったことが起こり得るのかもしれませんが、
少なくとも私は、「カウント・レンジキープ」の観点から言うと、そのたった0.3gの差を実感したことはありません。
従って、「カウント・レンジキープ」の精度を上げることは、手返し(レンジを探るチャンス)を維持することに直結すると言えるでしょう。
※今回の主題であるカウント・レンジキープにおいては、ジグヘッドの重量差はさほど関係ありませんが、他の釣り方においては重要な要素となり得ます。詳細は後日、別記事にて解説します。
メリット2:お金を節約することができる
2つ目のメリットは、上記のメリット1に付随した内容ですが、
「極論、0.1gごとにジグヘッドを買い揃える必要はない」ということです。
私も釣りを始めて3年目くらいまでは、ネットの情報に散々踊らされ、無駄な出費を数多く重ねてきた経緯があります。
「周りが1.3gでアジを釣っている中、自分だけ1.3gを持っていないまでにアジが釣れなかったらどうしよう」といった謎の不安に駆られて、0.1gごとに大量のジグヘッドを買い揃えたことがあります。
「カウント・レンジキープ」を覚えた今、0.1gごとに大量のジグヘッドを買い揃えることは本当に無駄な出費だったなと強く感じます。
では、アジングをする上で「何gのジグヘッドを買えばいいのか?」また「どうやれば上手くカウント・レンジキープができるようになるのか?」
その問いについては、次章以降で解説していきます。
カウントのコツ
それでは、前章で「カウント・レンジキープ」の重要性をお話ししたところで、本章では「カウント・レンジキープ」のうちの「カウント」について、そのコツを解説していきます。
「カウント」は人それぞれ数え方やテンポが異なるため、正解と言える数え方はありません。
しかし、「カウント」には唯一正解と言える考え方があって、それは「狙ったレンジ(層)までルアーを落とすこと」です。
「そんなの当たり前だろ!」という声が聞こえてきそうですが、そんな「当たり前なこと」が出来るようになるためには、どのようなコツがあるのか。
正確にカウントを取る方法を、個人的に重要だと思う順番に解説していこうと思います。
精密なカウントはキャストで決まる
「カウントのコツで最も重要なことがキャスト!?」と思われた方は少なくないと思います。
「カウントは毎回同じテンポで数を数えることが大切だ」ということをよく耳にします。
確かに、それも重要なことではあります。
では何故、毎回同じテンポを意識してカウントを取っているのに、上手くアジが釣れなかったり、根がかりをしてしまうのか。
何故、アジングが上手い人とそうではない人の釣果を比べた時に、ダブルスコアほどの差が出てしまうようなことが起こり得るのか。
アジングが上手い人は同じテンポで数を数えられていて、アジングが上手くない人は同じテンポで数を数えられていないからでしょうか?
違います。
答えは、
キャスト時におけるルアーの軌道及びフェザーリングの重要性に気づいていないからです。
※フェザーリングとは、キャスト直後にスプールエッジに指を添えてラインの過放出を抑制する技です。ベイトリールで言うところのサミングと似ています。
「同じ重さのジグヘッドを使って、同じタイミングでキャストして、同じテンポで30カウント取っているのに、なんで自分だけ釣れないの?」
こういった経験は、複数人とよくアジングに行くことのある方なら一度はしたことがあるかと思います。
では何故、キャスト時におけるルアーの軌道とフェザーリングが重要なのか解説していきます。
「キャスト時におけるルアーの軌道及びフェザーリングの重要性」を分かりやすく言い換えるならば、「糸ふけを出さないことの重要性」というふうに言い換えられるでしょう。
初心者の頃は誰しも、上のイラストのような軌道でルアーをキャストしてしまうことは、良くあることだと思います。
大量に出た糸ふけを回収し、「よし!じゃあ今からカウント開始だ!」
そうやって、初心者の頃は何も意識することなく、糸ふけを回収した後、極力正確なテンポでカウントをとることだけを意識します。
もう気づきましたか?
糸ふけを回収している時点で、すでにルアーは沈んでいますよね。
どれだけ正確なテンポで数を数えられていたとしても、キャストごとに出る糸ふけ量が違っていたら、それを回収するために要する時間がバラバラなので、同じ20カウントでもレンジは変わってきます。
糸ふけを出さずにキャストすることができれば、着水直後からカウントを取り始めることが出来るため、レンジのばらつきを極力抑えることが出来ます。
従って、精密なカウント(正確なレンジ把握)は、「いかに糸ふけを出さずにキャスト出来るか」ということに関わってくると言えるでしょう。
キャストに関して一つ例を挙げると、ソルトルアーフィッシングから始められた方から見てバスフィッシングを長年されている方って、どんな釣りをさせても上手ですよね。
確かに、ルアーの動かし方が上手だからだとか食わせの間の取り方が上手だからだとか、色々な要素があると思います。
しかし、ソルトルアーフィッシングから始められた方と決定的に違うのが、キャストの上手さです。
枝葉を躱(かわ)して木陰にルアーを投げ込んだり、狙ったスポットにピンでキャストしたり、警戒心の強いバスに刺激を与えないよう着水音を極力抑えるためにフェザーリングを徹底したりと、オープンエリアが主である海とは求められるキャスト精度が断然違います。
フレッシュウォーター・ソルトウォーター問わずルアーフィッシングにおいては、このキャスト技術の差が非常に大きいと個人的には感じているので、「自分は海釣りがメインだからキャスト技術はそこまで要求されないだろう」と高を括っている方は、今すぐキャスト技術を磨かれることをおすすめします。
私もまだまだキャスト技術が甘いので、キャストが苦手な方は共に頑張って少しずつ克服していきましょう。
カウントの取り方
続いて、カウントの取り方について解説します。
カウントの取り方については、
- 基準となるジグヘッド重量を決めるべし
- サミングしながらフォールさせるべし
- 表層から or ボトムから
という3つの観点で解説します。
こちらについても、「解説する順番=重要な順番」ですので、ご理解願います。
では、早速解説していきます。
基準となるジグヘッド重量を決めるべし
「基準となるジグヘッド重量を決めておこう。」
これはアジングを専門にしているプロアングラーの方々が口酸っぱく言う決まり文句のような言葉です。
私もこの言葉については同意しますが、少し言葉足らずのような気もします。
では、何が言葉足らずなのか。
初心者の方ならこう思うはずです。
「じゃあ、何gのジグヘッドを基準にすればいいの?」
アジングを始めて間も無い方だと、何gを基準にするのが正解なのかということが気になる議題だと思います。
最初に言っておきますが、正解となる基準の重さはありません。
理由は、フィールドによって異なるからです。
そう言って、初心者を置いてけぼりにしようと思えば簡単に済ませられる議題ですが、せっかく貴重なお時間を割いて、こんな途方も無い長文をここまで読み進めて下さっているので、あくまで私のメインフィールドである瀬戸内海(比較的シャローで激流)というフィールドにおいての私個人の基準の重さをお伝えします。
- 水深0〜3mは 1.0g
- 水深3〜10mは 1.8g
- 水深10m以上は 2.5g
以上が私の基準となるジグヘッド重量です。
これらのジグヘッドを各フィールドによってメインで使い込むことで、何カウントでジグヘッドがどのくらいのレンジにいるのか、ということが段々と分かるようになってきます。
ただ、レンジ把握能力を身につけるのに最も練習になるのは「ボートアジング」だと言えるでしょう。
魚探を見てアジがいるレンジを知った状態で探るということを繰り返していると、より精確なレンジ把握能力を身につけることができます。
しかし、定期的に遊漁船を利用する財力であったり、船舶免許を取得する必要があったりと「ボートアジング」は少しハードルが高いので、もし「ボートアジング」に行く機会がありましたら、しっかり陸っぱりで経験値を積むことや、知識のインプットをある程度した状態で臨まれることを強く推奨します。
※その時釣れているアジのサイズや状況に応じて、フックサイズ及びヘッド部分の大きさを決める必要があるので、今回の解説ではジグヘッド単体に絞って解説していますが、状況を見てスプリットやキャロを使うこともあります。スプリットやキャロを使ったアジングに関する記事については、また後日公開しようと思います。
サミングしながらフォールさせるべし
サミングをすることは、アジングのみならずすべての釣りにおいて非常に重要なことと言えます。
サミングとは上の写真のように、ラインテンション(ラインが引っ張られる感覚)を感じながらルアーを沈めていく技法です。
そして、サミングすることで得られるメリットは3つあります。
1つ目は、「潮流の影響で発生するラインスラック(糸ふけ)を抑制することができる」ということです。
着水後にサミングをしなければ、潮流によってラインが煽られてしまい「竿先⇨ライン⇨ルアー」が一直線になりません。
「竿先⇨ライン⇨ルアー」までを一直線にすることを「ラインメンディング」と言い、ルアーフィッシングにおいては非常に重要な技術です。
「ラインメンディング」ができるようになることによって、水中での精確なリグ操作が可能になるとともに、アタリを感じてからフッキングに至るまでのタイムラグを極力排除することができ、フッキング率を上げることができます。
先ほど解説したキャスト時における「フェザーリング」と着水後の「サミング」とを合わせて行うことで、”空中における糸ふけ”と”海中おける糸ふけ”の両方を徹底的に排除することができ、これは釣りをしている上であまり目立たない地味な技術ですが、最も釣果に直結する重要な要素ですので、今まで意識したことのなかった方は是非このことを強く意識して釣りをしてみてください。
2つ目は、「潮が効いているレンジを見つけることができる」ということです。
サミングでラインテンションを感じながらルアーを沈めていくと、急にラインテンションが強くなったり、逆に弱くなったりします。
サミング時にラインテンションが変わる瞬間というのは、ルアーが他のレンジとは潮の効き方が違ったレンジに入ったと言えます。
「他のレンジとは潮の効き方が違ったレンジ」というのは、いわゆる「潮流の変化点(潮のヨレ)」のことで、冒頭リンク記事にも記載している通りアジの居る可能性が高いスポットです。
この期待値の高いスポットを見つけて効率良くレンジ探ることが、「アジを1匹でも多く釣る」ために肝要なことだと言えるでしょう。
補足説明として、サミング時にラインテンションを敏感に感じるためには、極力軽い力でスプールエッジを押さえながらサミングするということが重要です。
これは冒頭でもお話しした、竿を軽く握ることで感度を上げるのと同様の考え方です。
3つ目は、「フォール中のアタリを取ることができる」ということです。
「落ちパク」という言葉がある通り、着水後のファーストフォールでバイトが出ることがあります。
この「落ちパク」に素早く反応するために、サミングでスプールエッジに触れておくことで即座に反応できます。
なお、サミング中にバイトが出た際に、慌てたように一度ベールを返してからフッキングしようとする方が多いですが、私はスプールエッジを強く押さえてそのまま即フッキングに持ち込みます。
このやり方の方が、バイトが出てからフッキングに持ち込むまでのタイムロスが少なく、ベールを返してフッキングするよりもフッキング率が高くなるので、ご参考までに頭の片隅にでも置いておいてください。
表層から or ボトムから
これまでの解説を読んでくださった方ならお分かりいただけると思いますが、
「表層から探るのか、それともボトムから探るのか」
その問いに対する答えはこうです。
「そんなものどっちからだっていい。」
釣りは常に現場合わせ。過去と似たような状況はあっても、過去と同じ状況は存在しません。
常に思考を止めないことを意識して、その日その場所の状況に応じてご自身で判断して探ってみてください。
必ず答えが返ってくるレンジ(層)はあるはずです。
レンジキープのコツ
本章では、「レンジキープのコツ」について解説していきます。
解説に先立ち、本章から読まれる方に先にお伝えしておきたいのが、個人的には前章の「カウントのコツ」で解説した「アジの居そうなレンジを見つけること」の方が大切だということです。
従って、本章で解説する「レンジキープ」については、「カウント」で「アジの居そうなレンジ」を見つけた後にすべきアクションの一部だと思って、読み進めていただければ良いかと思います。
「ちゃんとレンジキープしているつもりが、気がついたら根がかりしてしまった。」
または、「ちゃんとレンジキープしているつもりが、浮き上がりすぎていた。」
こういうことは、誰しもが経験していることだと思います。
レンジキープしているつもりが、何故根掛かってしまうのか、何故浮き上がりすぎてしまうのか。
そのメカニズムとレンジキープのコツについて、以下の3点を軸に解説していこうと思います。
- レンジキープはロッドワークで行うべし
- 足場高さ・ロッドレングス・ルアー重量を考慮すべし
- ロッド角度を高く保持する癖を直すべし
本章においても、私が個人的に重要だと思う順に解説していきます。
レンジキープはロッドワークで行うべし
まず、この記事を見るまでレンジキープという概念を知らなかったという方に向けて、どのようにすればレンジキープができるのか、具体的な方法を解説します。
レンジキープをロッドワークで行うということを既に知っているという方は、次項の「足場高さ・ロッドレングス・ルアー重量を考慮すべし」からご覧ください。
レンジキープは、ロッドティップを持ち上げていくことで可能になります。
では、どういうメカニズムでレンジキープが可能になるのかを解説していきます。
まず、ロッドティップを一定角度で定位させた状態だと、ルアーはロッドティップを中心点として円弧を描くようにアングラーの方に向かって寄ってきます(これをカーブフォールと言います)。
そして、カーブフォル時にロッドティップを持ち上げる、つまり円弧の中心点を上に移動させることでルアーは水平移動します。
上記がレンジキープのメカニズムです。
これを水中イメージしながら実践を重ねることで必ずできるようになるので、まだ試したことの無いという方は是非実践してみてください。
それでは次に、「何故レンジキープしているつもりが根掛かってしまったり浮き上がりすぎてしまったりしてしまうのか?」という問いに答えていこうと思います。
足場高さ・ロッドレングス・ルアー重量を考慮すべし
「レンジキープはロッドワークですることくらい知っているが、何故か上手くできない。」
という方は本項目で解説する内容を意識してみてください。
まず、上記のような悩みを持っている方に共通する特徴として、「初場所が苦手」もしくは「苦手なタイプなフィールドがある」と極端に思い込んでいる方が多いように思います。
では、どうすればフィールドを選ばず上手くレンジキープすることができるようになるのか。
以下の3点を意識してみてください。
足場高さを考慮する
足場が高いフィールドでレンジキープをしようとすると、どういった問題が起こり得るのか。
その問題とは「浮き上がりすぎてしまう」ということです。
これは先に解説した、円弧運動の半径に着目した下の比較をご覧いただけるとお分かりいただけると思います。
このように足場高さが変わるということは円弧運動の半径が変わるということを意識すれば答えは自ずと出てくると思いますが、
足場が高いフィールドでは通常よりゆっくりロッドティップを持ち上げる。
足場が低いフィールドでは通常より速くロッドティップを持ち上げる。
上記を意識して、レンジキープしてみてください。
ロッドレングス(ロッドの長さ)を考慮する
次に、ロッドレングスについてですが、これも先ほどの円弧運動をイメージしてみてください。
ロッドレングスが長いとどうなるのか。短いとどうなるのか。
このように、ロッドレングスの違いによってロッドティップを持ち上げた時の幅が変わります。
ロッドレングスが長い場合は通常よりゆっくりロッドティップを持ち上げる。
ロッドレングスが短い場合は通常より速くロッドティップを持ち上げる。
上記を意識して、レンジキープしてみてください。
ルアー重量を考慮する
考慮すべきことの3点目は、ルアー重量です。
これに関しては、皆さんもよくわかっていることだと思います。
ルアー重量が軽いと沈下速度は遅くなり、ルアー重量が重いと沈下速度は速くなるため、その沈下速度に合わせてロッドティップを持ち上げる速度を調整します。
ルアー重量が軽い場合は通常よりゆっくりロッドティップを持ち上げる。
ルアー重量が重い場合は通常より速くロッドティップを持ち上げる。
以上3点がレンジキープで意識すべきことです。
上手くレンジキープできないという方は、是非このことを意識して実践してみてください。
ロッド角度を高く保持する癖を直すべし
3つ目のレンジキープのコツとして解説するのが、「ロッド角度を高く保持する癖を直すべし」ということです。
これは、以前公開したメバリングの解説記事の中でもお話しした通り、「ライン角度」に依拠する内容です。
ロッドとラインの角度が90°の時に感度(アタリを捉える感度・操作感度)が最も高くなるということから、常にラインテンションを強く張るためにロッド角度を高く維持した状態でアジングをされる方が多いように思います。
「アジのアタリは繊細だからしっかりラインテンションを張っておかないとアタリに気づかないかもしれない…」
そんなことはありません。あえてラインテンションを緩める釣り方だってあります。
では何故、ロッド角度を高く維持する癖を直さないといけないのか。
それは、「レンジキープ」については特に、フッキングストロークが不足するからです。
フッキングストロークとは、フッキング時におけるロッドの振り幅のことであり、フッキングストロークが短いとフッキングが甘くなってしまいバラシの原因となってしまいます。
レンジキープの動作である「ロッドを持ち上げる」という動作中においては、段々とフッキングストロークが短くなってしまうため、スタートのロッド角度が非常に重要というわけです。
せっかく綺麗にレンジキープができて、アジのアタリがあったとしても、フッキングが甘ければ何の意味もありません。
そうならないためにも、ロッド角度を極力下げて釣りをすることを意識してみてください。
私も、3年ほど前まではロッド角度を高くする癖がついてしまっており、これを改善することが何よりも大変でした。
集中しようとすればするほど、手に力が入り、アジのアタリを逃すまいとロッド角度を高く維持して釣りをしてしまっていました。
この癖を集中的に直すことで、釣果も上向き、アジング以外の釣りにおいても大きなヒントを得るきっかけとなったので、以前の私と同じように悩まれている方は根気強く意識して直すことをおすすめします。
まとめ
今回は、「アジを1匹でも多く釣るための極意」ということで、アジングの基礎中の基礎である「カウント・レンジキープ」について解説しました。
他人と比べて釣りをすることはあまり良いことではないと思いますが、いつも一緒にアジングに行っている友人との釣果差に悩まれている方にとって、実りのある内容だと感じていただけたら幸いです。
今回の記事は全記事中最大文字数となってしまいましたが、ここまで読み進めていただきありがとうございました。
皆様が1匹でも多く価値ある魚と出会えることを切に願っています。
それでは皆様、より良いフィッシングライフをお過ごしください😊
以下追伸
「カウント・レンジキープ」という概念を知らなかった方へ、
どれだけアジングが上手な方でも、最初は皆「カウントって何?レンジキープって何?」状態からスタートしていますので、知らなかったことを恥じる必要はないということだけはご理解下さい。
当ブログは、「周りに釣りを教えてくれる人が居ないという方にとっての”参考書”的な位置付けとなればいいな」という想いで運営しております。
私は幸いにも、釣りの基礎を教えてくれた師匠と呼べる方との出会いがあったため、割と短期間でまともに釣りができるレベルまで上達しました。
最初のうちは師匠がその日の答え(ジグヘッドの適合重量やレンジ等)を先に出してくれたので、私はとにかくそれを”真似する”ことで、感覚的に”正解”を刷り込んでいくことができたのだと思います。
そのように恵まれた環境で培ってきた経験と自分なりに考察しながら現場で擦り合わせてきた知識が、誰かの役に立てば良いなと考えた結果、この「FISH SCAPE」の運営に繋がりました。
実際に一緒に釣りに行って、手取り足取り教えて差し上げることはできませんが、当ブログから得られるヒントを頭の片隅にでも置いていただき、それを釣り場で実践してみて上達を図っていただければ幸いです。